AIを使う広告副業は、制作範囲を決めて始める
広告の仕事には、文章・画像を作る「制作」と、予算や配信先を調整する「運用」があります。初心者は、まず広告文やバナーなど成果物が明確な制作から検討しましょう。広告費を預かって運用する仕事は、配信設定、計測、改善提案まで責任範囲が広がります。
| 仕事 | 納品物の例 | 事前に決める条件 |
|---|---|---|
| 検索広告の文章制作 | 見出し案・説明文案と根拠資料の一覧 | 掲載媒体、文字数、案の数、禁止表現 |
| 画像広告の制作 | 指定サイズのバナー、文言違いの画像 | 寸法、画像形式、元データの引き渡し |
| 広告の差し替え素材制作 | 既存デザインを使った季節・商品別の素材 | 素材の利用許可、変更箇所、修正回数 |
AIはアイデアや素材の候補を出す役割に使い、商品の仕様、価格、販売条件は依頼元の資料と照合します。「クリック率を必ず上げる」などの成果保証はせず、「見出し案を何本、画像を何点、いつまでに渡すか」で契約を具体化してください。自分の制作費と、依頼元が媒体へ支払う広告費も分けます。
今日の行動:「広告見出し案5本と説明文案2本」「バナー1サイズ・文言違い2案」など、対応できる商品を1つ書き出します。これは出品設計の例で、媒体が要求する最低アセット数とは別です。
使うツールと掲載先の仕様を確認する
文章案は普段使っている文章生成AIで作り、画像候補はAdobe Firefly、レイアウトはCanvaやAdobe Expressなどで整える方法があります。AdobeのFirefly公式ページでは、画像生成・編集や背景の拡張、Photoshop・Expressでの仕上げが紹介されています。無料で試せる範囲や有料機能は契約時に確認し、案件が決まる前に複数の有料プランへ加入する必要はありません。
画像は生成したまま渡さず、文字の読める大きさ、商品と背景の区別、ブランドの色を整えます。実物の商品写真と許可されたロゴを依頼元から受け取り、AIで作った背景に重ねる方法なら、商品そのものを生成して形状を誤るリスクを減らせます。ただし、実物にない付属品や使用効果が写り込んでいないかも確認します。
Googleのレスポンシブ検索広告の公式仕様では、見出しは半角30文字、説明文は半角90文字までです。全角1文字は半角2文字分として数えるため、日本語だけなら見出し15文字、説明文45文字が上限になります。登録時は見出し3本以上・最大15本、説明文2本以上・最大4本が必要です。英数字が混ざる案は、通常の文字数カウントだけで判断せず入稿画面でも確認します。
Google広告内にも画像生成機能がありますが、公式ヘルプには30日以上の広告掲載実績などの利用要件や段階的提供の説明があります。新規アカウントで必ず使える機能として受注条件に含めないでください。依頼元のアカウントを使う場合は、担当範囲と必要な権限を決め、パスワード共有を前提にしない運用にします。
広告文とバナーのサンプルを作る6ステップ
最初の実績は、架空の商品を使った自主制作で構いません。たとえば架空の焼き菓子店を設定し、実在企業との取引実績に見せず「自主制作・配信実績なし」と明記します。次の数量は練習の目安です。
- 依頼条件を作る:商品、想定するお客さん、広告の目的、掲載先、納品形式を1枚にまとめる。価格や配送条件も練習用の設定とわかるよう記録する。
- 訴求を3つに分ける:商品の特徴、購入しやすさ、用途の3方向で案を作る。「最安」「人気No.1」など根拠のない優位性は設定しない。
- AIで文章候補を出す:資料にない情報を足さず、不明点を質問として返すよう指示する。言い換えだけの似た案を減らす。
- 画像を組む:背景、商品、見出し、行動を促す文言を配置する。画像生成で文字まで描かせず、編集ツールで文字を置くと修正しやすい。
- 掲載時の見え方を点検する:スマホで小さく表示し、文字の読みにくさや切れを確認する。画像サイズは実案件の媒体・配置ごとに指定を受ける。
- 制作意図を添える:誰に何を伝える案か、使ったツール、AIを利用した部分を短く説明し、見本画像と文章一覧を保存する。
文章生成への指示例:「以下の商品資料だけを根拠に、検索広告の見出し案を5本、説明文案を2本作ってください。全角のみの見出しは15文字以内、説明文は45文字以内。実績・割引・効果を補わず、根拠が足りない箇所は確認事項として別記してください」。AIの自己申告する文字数は誤ることがあるため、人が再確認します。
案件を探し、見積もりと受注条件をそろえる
ランサーズやクラウドワークスで「広告文 作成」「バナー制作」「広告クリエイティブ」「既存バナー 修正」を検索します。「AI副業」だけで探すより、依頼元が欲しい納品物の名前で探すほうが仕事内容を判断しやすくなります。募集があることと受注できることは別なので、件数や収入を決めつけず個別条件を読みます。
- AI利用:生成AIを使えるか、申告が必要か、資料を外部サービスへ入力できるか。
- 納品範囲:画像の数、サイズ、文章の本数、元データ、入稿作業の有無。
- 確認担当:商品情報と広告表現を承認する人、返信に必要な日数。
- 修正条件:何回まで含めるか、当初と違う商品やデザインへの変更を追加料金にするか。
- 支払い:報酬額、検収条件、仮払いの状況、ツール・素材の追加費用を誰が負担するか。
提案文には「掲載先に合わせた広告文と画像を制作します。自主制作見本をご確認ください。AIは候補作成に使用し、商品情報と文字数は照合します。配信設定を含むか、画像サイズ、修正回数、素材の利用許可を確認したうえで見積もります」と書けば、品質と範囲を伝えられます。未経験の運用まで一括で引き受けず、追加業務は別見積もりにしてください。
練習の目安として、条件が明確な募集を3件比較し、サンプルの用途と近い案件に提案します。実績が少なくても、相手の商品に合う制作意図を説明できる見本は判断材料になります。長時間の無報酬テストや、仕事の前に教材購入を求める依頼は避けましょう。
報酬の相場は作業範囲で変わるため、手取りで試算する
広告制作の金額は、案の数、調査量、元データ、修正、入稿対応によって変わります。一律のAI広告副業相場を示せる根拠は確認できないため、ここでは相場を断定せず、見積もりの考え方を示します。まずサンプル制作で実際の時間を測り、連絡・確認・修正の時間を足して希望報酬を計算しましょう。
たとえば税込契約額5,000円で小規模な制作を受けると仮定します。ランサーズの公式手数料は税込契約金額の16.5%なので、手数料差し引き後は4,175円です。制作・連絡・修正で合計3時間なら、1時間あたり約1,392円になります。これは目安の試算で、市場平均や初心者の収入実績ではありません。振込手数料、素材代、ツール代、税金は含めていません。
月の収入目標から件数を逆算する場合も、応募時間や案件がない期間を考慮します。AIで画像を数分で生成できても、指示の確認や修正は残ります。受注後は案件ごとに作業時間、修正理由、追加費用を記録し、利益が小さければ本数や修正範囲を見直します。広告費の立て替えは制作報酬の試算に混ぜないでください。
公開前の確認と納品までを仕事にする
Googleの生成画像に関する公式ヘルプでは、作成方法を問わず広告ポリシーが適用され、AI生成素材も必ず承認されるとは限らないと説明されています。広告主は、公開前に内容の正確さ、誤解を招く表現、ポリシーへの適合を確認する必要があります。制作者もその確認に必要な情報を渡しましょう。
- 事実との一致:価格、在庫、期間、送料、性能を元資料と照合し、リンク先の購入条件と矛盾させない。
- 素材とモデルの条件:写真、ロゴ、フォント、生成AIの商用利用条件を確認する。Fireflyには複数のモデルがあるため、サービス名だけで利用条件を判断しない。
- データの扱い:未公開商品や顧客情報を、依頼元が認めていない外部AIへ入力しない。
- 成果の表現:自主制作に架空のクリック率や売上改善を付けない。実績紹介の許可も別途確認する。
納品時は完成データ、文章一覧、使用素材・AI利用箇所、未確認事項をまとめて渡し、承認履歴を残します。文章候補はどの組み合わせでも意味が通るか確認し、価格条件など重要な情報が抜ける組み合わせは依頼元へ伝えてください。
今日できるのは、架空の商品で広告文とバナーの見本を1セット作り、制作時間と確認項目を記録することです。そのうえで募集3件の納品条件を比べ、自分が責任を持って仕上げられる小さな案件から応募しましょう。